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化学療法中およびその後の療養生活における注意点

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免疫力低下での感染症罹患は命取り

 免疫力が低下していると、健常者にとって何でもないような感染症(風邪など)であっても、罹患すれば重症化したり命取りになる場合があるため、日常生活においていろいろと注意が必要である。それらの注意点は本人のみでなく周りにいる人も知って協力することが必要である。

鉢植えの植物は入院患者の見舞いに何故相応しくない?

 高校生の頃であったろうか、二歳年上の姉が、鉢植えの植物は根が付いているため「寝付く」と音が同じで縁起が悪いから入院患者の見舞い持っていってはいけないのだと言っていたのを聞いたことがあった。

悪性リンパ腫で化学療法を受ける

 入院するような病気とは長らく無縁であったためずっとそのように思っていたが、五十代半ばになって急遽入院することになりそれまで知らなかったいろいろなことを知ることとなった。悪性リンパ腫で化学療法(抗癌剤治療)を受けたわけであるが、治療中副作用で白血球数が減少し、免疫力が低下するのである。

白血球数の減少による免疫力の低下

 白血球数は健常者で男 3,600-9,000 /㎕ 女 3,000-7,800 /㎕ であるが、化学療法をすると治療中の数日間1000 /㎕ 近くまで下り、感染症に罹患しないように気をつける必要がある。患者はその間マスクをし、ウガイをしながらも、感染症患者と接触しないように注意する必要がある。入院治療をした病院では、治療中の白血球数が2000 /㎕ 以上ならば外泊許可がでたが、外泊許可が出て我が家に帰ったまでは良いものの、お孫さんが引いていた風邪がうつり、重篤な状態で救急車で戻ってきた患者がいた。その患者は病院に戻ってからも数日間苦しそうにゼーゼーと息をしていた。

 免疫力低下の原因には化学療法の副作用によるものの他、他の病気治療の副作用や高齢化によるものもある。免疫力低下は感染症に罹患しやすくなるので、日常生活においても、健常者には必要のない様々な注意が必要である。

免疫力が低下した場合の注意点

 免疫力が低下した場合、感染症にかからないように注意する必要がある。食後にすぐ歯磨きをすることは勿論、マスクをしたり、手洗いやウガイをしたりするとともに、風邪を引いた人などとも接触しないように注意する必要がある。それ以外にも知っておいた方が良いことが色々とあるので以下にそれらを記してみたい。

鉢植えがいけない真の理由

 上記した入院治療を終え退院する時、いろいろな注意を受けたが、その中に土いじりをしないようにというのがあった。理由は土の中には様々な菌やカビが存在しているため、免疫力が低下した状態でそれらに触れると良くないからである。この説明を聞いて、入院患者の見舞いに鉢植えの植物がいけない真の理由が理解できた。根付きが寝付くと同じ音で縁起が悪いというのは真の理由ではない。土の中にいる菌やカビが病人に悪いからいけないというのが真の理由である。

水で濡れたタオルや台拭きなどを身近に置かない

 この入院治療の五年後、再発治療で別の病院に入院した。その病院では入院室に洗面台があり、そこに台拭きが掛けてあったが、入院補助の女性(看護師の補助をする女性)が台拭きが濡れるとすぐに乾いた台拭きと交換していた。理由は台拭きが濡れていれば、そこに雑菌が繁殖するからであり、雑菌は免疫力が低下した患者にとって好ましくないからである。

栄養を摂り疲れを溜めない

 その他、入院治療で教えられたことは、治療中はよく寝、疲れを溜めないこと。清潔で栄養価が高く消化の良いものを食べること。治療で食欲がなく食べられないときは、アイスクリームでもプリンなどでも良いから食べられるものを食べることなどである。
 癌(血液がんも含む)になるとがん細胞が栄養を横取りするため短期間で体重が減る。さらに化学療法が始まると抗がん剤の副作用でさらに筋肉が痩せてくる。私の場合体重62kgであったのが、入院時の体重は48kgまで減少していた。抗がん剤治療が始まると、筋肉がさらに痩せるので、現実面で困るのは尿意を催したら我慢するのが困難になることである。トイレの近くの部屋に変えてもらう患者もいれば、尿瓶をベッドの横に置いてもらっている患者もいた。

注意点まとめ

 上に述べたことをまとめれば、出来るだけ菌やカビと接触しないことである。そのためには菌が増殖する環境を作らないことが大切である。具体的には濡れたタオルや雑巾等は身近に置かないこと。同様の視点から、風呂の水は毎日入れ替えること、空気清浄機を部屋に置く場合、空気清浄機の加湿用水のタンクの水も毎日替えることである。
 飲料水に関しては、ペットボトル飲料は口を開けたら短時間で飲み切ること。家庭においては、浄水は塩素が除去されていて菌が繁殖しやすいので、飲用する都度浄水器を使用し、少量ずつ使うようにすることが望ましい。
 以上に加え、抗がん剤の作用でダメージを受けた身体の回復をはかるため、消化の良い栄養のあるものを食べ、疲れを溜めないようによく眠ることである。

焦らず養生しながら生活スタイルを見直す機会

 以上、生物科学的な見地からの注意点について述べたが、心理学的な見地からの注意点について述べれば、がん患者は再発の不安によって眠れない人も多い。不眠は免疫力を下げるので不安で眠れない人は主治医に相談して睡眠薬を出してもらうのも一つの方法である。薬によっては治療の妨げになることもありうるので、薬局で睡眠薬を買ったりせず、主治医に相談して出してもらうのが良い。
 現役で働いている人は、仕事への復帰を考え焦りが出やすいが、治療中は心をゆったりとし焦ること無く身体を休めることである。焦りは治療にとって良くないからである。
 また、癌に罹患し抗がん剤で減った体重を急に戻そうとせず、あせらず徐々に戻していくのが望ましい。高がん治療で弱った消化器官の回復を待ちながら徐々に体重を増加させていくのが良い結果につながることになる。

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 大病をするのには何か原因となるものがあったのかもしれない。無理をし過ぎたとか、食生活が悪かったとか何か問題があったかもしれない。そういった点から今までの生活スタイルを見直すには良い機会であるし、静かに人生を振り返る良い機会でもある。また、心新たに第二の人生へと船出するにも良い機会である。

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