UA-91635752-2 G-JEWNT0VJRZ

椎葉移流(シーハイル)

安心な生活の知恵

Home » 健康・病気 » バリウム検査と胃カメラ検査の比較、バリウム検査による被曝量と被爆の生体への影響等

バリウム検査と胃カメラ検査の比較、バリウム検査による被曝量と被爆の生体への影響等

calendar

reload

バリウム検査と胃カメラ検査の比較、バリウム検査による被曝量と被爆の生体への影響等

胃がんや胃潰瘍の発見のため、会社や職場の健康診断では通常バリウム検査が行われています。しかし、バリウム検査で胃がんなどの疑いがあった場合、再度胃カメラで検査が行われたりすることから、最近胃カメラ検査を受ける人も増えて来ています。今回はこれから検査をする人の参考になるように、胃のバリウム検査と胃カメラ検査の特徴を比較してみます。

バリウム検査と胃カメラ

バリウム検査とは、発泡剤で胃を膨らませ、造影剤のバリウムを飲んだ後X線を照射し、造影剤の流れから胃壁の状態を観察する検査のことです。

胃カメラ検査とは、口または鼻から小さな内視鏡(医療用カメラ)のついたチューブを挿入し、内視鏡で直接食道・胃・十二指腸の粘膜表面を撮影・診断する検査のことです。

職場などで集団でバリウム検査を受けたことのある人であれば、自身あるいは周囲の人で、バリウム検査で問題があると判断された人が、後日胃カメラで再検査していることから、バリウム検査が胃カメラ検査に比べ精度が悪いことは容易に想像できるものと思われます。

バリウム検査と胃カメラ検査の特徴

バリウム検査と胃カメラ検査の特徴についてまとめてみると、

(1)バリウム検査の特徴

・胃カメラを飲み込む時のような苦痛が無い(長所)
・造影剤のバリウムが胃壁に沿って流れるさまを身体の外からX線で撮影して判断するため検査精度が低い(短所)
・検査に放射線(X線)を用いるので放射線被爆がある(短所)
・末期癌など進行した癌の場合は胃カメラ検査での再確認は不要であるが、通常、問題がある場合は胃カメラでの再検査が必要となる(短所)
・検査後、バリウムが腸内で固まり易く、便秘になり易い(短所)

(2)胃カメラ検査の特徴

・内視鏡で直接食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を見ることができるので、検査精度が高く、胃癌の早期発見のみでなく胃潰瘍や胃炎の発見もすることができる(長所)
・検査に放射線を用いないため放射線被爆はない(長所)
・チューブの先には小さな鉗子(かんし)が付いているので、細胞を採取したり、内視鏡手術をすることも可能(長所)
・細胞採取によりピロリ菌の有無も確認出来る(長所)
・カメラを飲み込むのが苦痛である(短所)
・バリウム検査に比べて費用がかかる(短所)

のように整理できます。

胃のバリウム検査で受ける被爆量と人の許容被曝量

1.胃のバリウム検査の被爆量

胃のバリウム検査でX線を用いるため被爆するが、この被爆量が多いことを知らない人が案外多い。胸部X線撮影と胃のバリウム検査の被爆量を比較すると
①胸部X線検査の被爆量は・・・0.07~0.1mSv(ミリシーベルト)
胃のバリウム検査の被爆量
直接撮影の場合は・・・15~25mSv(ミリシーベルト)
間接撮影の場合は・・・20~30mSv(ミリシーベルト)
であり、胃のバリウム検査の被爆量は、胸部X線検査の150倍から400倍に相当します

2.人の許容被爆量

(1)一般の人の許容被爆量

人が自然界から1年間に浴びる放射線は、日本の平均値で1.5mSvであるとされており、さらにICRP(国際放射線防護委員会)は、医療・自然放射線以外の人の年間許容被爆量を1.0mSvと規定しています。
すなわち、胃のバリウム検査の被爆量は、人が1年間の間に自然界から受ける被爆量の10倍から20倍であり、ICRPが定める人の1年間の許容被爆量の15倍から30倍に相当することが分ります。

(2)その他の医療行為による被爆量

医療行為による被爆としては、上記した胸部X線検査や胃のバリウム検査の他に、代表的なものとしてCT検査があり、胸部CT検査で6.8mSv、腹部CT検査で3.8mSv被爆します。

(3)医療従事者の許容被爆量と妊婦の許容被爆量

医療従事者の年間許容被爆量は20mSvとされており、医療行為においては上記のような被曝がありますが、そのような特殊な場合においてさえ、
①妊娠中の女性の出産までの許容被爆量は1mSvであり、
②妊娠可能な女性の,年間許容被爆量は12mSv
とされています。

3.放射線被爆の生体への影響

放射線が生体にとって危険なのは、放射線が細胞内のDNAや器官に損傷を与え、その結果細胞死や癌細胞を含む異常細胞の発生などを引き起こす可能性があるからです。

容易に想像がつくように、DNAや細胞の損傷は総被爆量に比例します。また、細胞分裂の盛んな胎児期や幼児期は特に被爆の影響を受けやすいため、妊婦や妊娠可能な女性の許容被爆量が小さな値となっているわけです。

被爆の影響の無く検査精度の高い胃カメラ検査を選択するのが賢明

2004年、英オックスフォード大学の研究グループが、「日本で癌になる人の3.2%は医療機関での放射線被曝が原因であると推定される」との報告をしております。
検査による放射線被曝が原因で癌になるのは10年以上先といわれていますが、止むを得ない場合を除き、被爆は出来るだけ避けた方がよいことは明らかです。
胃カメラの欠点である飲み込むときの苦痛に関しても、今では鼻から通すことも出来、それほど苦痛を感じないまでに改善されてきております。
また、毎年必要なバリウム検査と違い、胃カメラ検査で異常が無かった場合、2年に1度くらいの検査をすれば良いようです。
以上のことから、被爆がなく検査精度の高い胃カメラ検査を選択する方が賢明であると思われます。

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す




folder 新型コロナウイルス

コロナワクチン接種の効果と接種への不安
more...