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ウィスキーの区分と年代物のシングルモルト・ウィスキー、シングルカスク・ウィスキーを飲む方法

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ウィスキーの区分と年代物のシングルモルト・ウィスキー、シングルカスク・ウィスキーを飲む方法

 ウイスキーはその原料や作り方などによって、モルト・ウイスキー、グレイン・ウイスキー、ブレンデイッド・ウイスキー、シングルモルト・ウイスキーなどに分類されるが、貯蔵熟成中のモルトが減少するのを避けるため、近年特にシングルモルト・ウイスキーの出荷量が激減した。

 特に、国産ウイスキー(ジャパニーズ・ウイスキー)のシングルモルトの年代物は酒屋の店頭から姿を消してしまってから数年が経つ。しかし未だ状況が好転する兆しはない。

 このような状況において、2015年に日本丸のバーで飲んだシングルカスク(モルト)・ウイスキー「余市20年」の素晴らしい味と香りは忘れがたく、その時の感激を思い起こしながら記載することとした。

年代物のシングルモルト・ウイスキーが販売中止に

 NHKの連続テレビ小説『マッサン』が放送( 2014年9月29日から2015年3月28日 )されたのがきっかけで日本のウイスキーブームに火が付き、ウイスキー需要が急増した。

 そのため、マッサンのモデルであったニッカウイスキーは当然のこと、サントリーウイスキーも販売数が急増し、貯蔵モルトが少なくなり、シングルモルト・ウイスキーの年代物(10年以上貯蔵のウイスキー)が販売されなくなってしまった。

ニッカの「余市」や「宮城峡」、サントリーの「山崎」や「白州」など、いまや酒屋で見られるのはノンエイジ(貯蔵年数不明記)のものばかりになってしまった。

サントリー白州 に対する画像結果

サントリー・シングルモルト・ウイスキー「山崎」と「白州」

 学生時代(50年ほど前)からウイスキー党であった私にとって、ウイスキー愛飲者が増えることは喜ばしく思うが、反面、年代物のシングルモルト・ウイスキーが購入できなくなったことは寂しいかぎりである。

ウイスキーの種類(原料の違いによる区分)

モルト・ウイスキー

 大麦麦芽(モルト)のみを原料とするものをいう。一般的に、 伝統的な 単式蒸留釜で2回(ないし3回)蒸留する方法で作られる。少量生産に適しており、大量生産や品質の安定が難しい。

グレイン・ウイスキー

 トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物(grain)を主原料に、大麦麦芽を加えて糖化・発酵させたウイスキー。連続式蒸留機による蒸留を経るため、モルトウイスキーに比較して飲みやすい反面、香味に乏しくモルト・ウイスキーとブレンドされブレンデッド・ウイスキーとして販売されることが多い。

ブレンディッド・ウイスキー

 モルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーをブレンドしたもの。大量生産や品質の安定に適している。グレイン・ウイスキーとブレンドすることで、味や香りの調整をすることが容易となるので、販売量の増加がモルト・ウイスキーの減少に及ぼす影響は、シングルモルト・ウイスキーより小さく出来る。

ソース画像を表示

サントリー・ブレンディッド・ウイスキー「響21年」

シングルモルト・ウイスキー

  スコッチ・ウイスキーやジャパニーズ・ウイスキーでは1つの蒸留所で作られたモルト・ウイスキーのみを瓶詰めしたものを シングルモルト・ウイスキー という。 ニッカでは、 大麦麦芽(モルト)のみを原料とするが、余市蒸溜所のモルトと宮城峡蒸溜所のモルトをブレンドして作られたウイスキーをピュアモルト・ウイスキーと称している。

ニッカ・ピュアモルト・ウイスキー「竹鶴21年」

シングルカスク・ウイスキー

 一つの蒸溜所のモルトから作られるシングルモルト・ウイスキーにおいても、貯蔵庫で貯蔵するとき、樽の置かれている場所の違い(地面からの高さの違いや貯蔵庫の中央か隅の方なのかによる空気の流れや温度の違い等)により、同じ貯蔵年数であっても樽ごとに味や香りが異なるものが出来る。

 定期的に樽の位置を変えたりはするが、樽によって異なる味や香りのものが出来上がる。これを熟練したブレンダーが、いくつかの樽のモルトを選んでブレンドし、 同一品質 (20年ものなら20年物として)の シングルモルト・ウイスキーを作り上げる。

サントリー白州蒸溜所 写真 に対する画像結果

サントリー白州蒸溜所の樽貯蔵庫

 しかし、特に出来の良い樽のモルトの一部は、他の樽のモルトとブレンドされることなく、世界的な品評会に出品されたり、特別な顧客に樽売りされたりする。

 世界の品評会のシングルモルト・ウイスキー部門で ニッカやサントリーが受賞したウイスキーの多くはシングルカスク・ウイスキーである。

(注)カスクとは樽のことをいい、バレルともいう。

ニッカ・シングルカスク・ウイスキー「余市20年」

販売中止になった年代物のシングルモルトウイスキーを飲む方法

 NHKの連続テレビ小説『マッサン』が放送 されてからしばらくし、ニッカ・サントリーの何れもが、貯蔵中の原酒が無くならぬよう、年代物のシングルモルト・ウイスキーの販売を取りやめた。

 今では、「余市」や「宮城峡」、あるいは「山崎」や「白州」の何れのブランドも、まれに酒屋の店頭にノンエイジの物が出るような状態である。このような状況下において、どのようにして年代物のシングルモルト・ウイスキーの味と香りを楽しむことができるかを以下に記載した。

インターネットを通して出品者から購入する

 通常の方法では手に入らない年代物のシングルモルト・ウイスキーではあるが、インターネット上では高額の値段(もとの販売価格の10倍以上の価格、数十万円)で出品されている。お金に余裕があり、是非購入したく思う人は、この方法で購入して飲むことが出来る。

 ただし、ウイスキーの品質は瓶詰め後は劣化するが、保管状態によって劣化の程度が異なり、中身の状態を確認するには開栓して飲んでみるしかない。しかし、開栓すれば返品できなくなるので、保管状態が良い物を購入しないと後悔することになる。

 以前、「余市シングルカスク20年」と「白州シングルカスク20年」の未開栓のものを日本丸のバーで開けてもらって飲んだことがあるが、その香りと味は 今まで飲んだどの種類のブランデーやウイスキーよりもはるかに素晴らしく 驚きのものであった。

 マーテルのコルドンブルー・ジャンフィユーのファミリエレゼルブ・レミーマルタンのルイⅩⅢ・ヘネシーのXOなどよりも素晴らしい香りと味であった。勿論、「余市シングルモルト20年」の香りと味よりもはるかに素晴らしいものであった。ただし、これは私個人の感想であり、そのように感じない人もいるかも知れない。

 上記したような良い状態が保持されているならば、インターネット上で出品されている物を高額で購入するだけの価値はあると思われるので、出品者が信頼できることを確認して購入するのも一つの入手手段である。

 しかしこの方法は、お金に余裕があり、購入したものが良くなかった場合でも、高い授業料を払うことになってしまったと受け止められるくらいの人でないと薦められない方法である。

一流ホテルのバーで飲む

 一流ホテル等のバーならば、年代物のシングルモルトウイスキーを置いている場合が多い。ただし、年代物のシングルモルトウイスキーの場合、シングルショット(30ml)で5,000円~1万円程度はすると思われる。さらに、希望の銘柄の物を置いているかどうかはわからないので、特定のシングルモルトが飲みたいと思う場合は、事前に確認して利用する必要がある。

 ただ、一流ホテルのバーでもシングルカスクに出会うことは難しく、 シングルモルト・ウイスキーは飲めても、シングルカスク・ウイスキーを飲むことはなかなか出来ないものと思われる。

客船ダイヤモンド・プリンセスの洋酒バー

ウイスキー蒸溜所などを見学し、有料で試飲する

 ウイスキーの蒸溜所では、ウイスキー製造工程の見学ができ、見学後試飲コーナーでその蒸溜所の廉価なウイスキーが試飲出来るところが多い。また、廉価なウイスキーの試飲は、見学の料金中に含まれている場合が多い。

 蒸溜所によっては、この試飲とは別に、別途料金を払って、その蒸溜所の年代物を飲ませてくれるところがある。蒸溜所で飲むといっても、年代物であればハーフショット(15ml)で1,000~3,000円ほどするが、上記2つの方法に比べ、安価でリスクが少ない利点がある。また、インターネットで購入を考えている人も、この方法で飲み比べ、購入対象を決めてから購入する方がリスクが少なく出来ると思われる。

 この方法は、ウイスキー蒸溜所の試飲コーナー近くのムードのない場所で飲むことになるが、蒸溜所によってはシングルカスク・ウイスキーを飲めるところもある。また、ウイスキーの樽に囲まれた蒸溜所の中で飲めると思えば、ウイスキー好きにとって何よりの場所であろう。

サントリー白州蒸溜所で飲み比べ

 以前、サントリー白州蒸溜所に見学に行った際、見学後の試飲の後、試飲コーナ-に併設してあった有料コーナーで、山崎の10年物のシングルカスクと白州25年物のシングルモルトを飲み比べてみた。

 いずれもハーフショットで、 山崎の10年物のシングルカスク が1,000円、 白州20年物のシングルモルト が3,000円ほどであった。飲んで驚いたのは、まろやかさでは 山崎の10年物 のシングルカスクは 白州20年物のシングルモルト に及ばないものの、香りと味の華やかさでは 白州20年物のシングルモルト 勝っていたことである。

サントリー白州蒸溜所 https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/facility/

 蒸溜所の人と話をしたが、これは山崎と白州の蒸溜所の違いでなく、樽の中で貯蔵される期間の違い (年数を経るごとに味・香りともまろやかになっていく) とシングルカスクとシングルモルトとの違いによるとのことであった。

 この飲み比べから、ニッカやサントリーが10年物のシングルカスクで英国の品評会で優勝したりしている理由が理解できた。

 蒸溜所見学はこのような発見の他、蒸溜所の立地環境がモルトの性格(草原の香りや塩っぱい味など)に影響を与えていることを感じたりすることが出来、とても楽しいものである。

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