本記事は次のことを扱っています。
・二次関数とは何か
・二次関数(放物線)の頂点の座標、x軸・y軸との交点の座標と係数の関係を知ること
・二次関数と二次方程式の関係を知ること
Contents
二次関数
二次関数の頂点の座標と係数の関係
$y$が次のように$x$の二次式で表されるとき
$y=ax^2+bx+c$ ・・・(1)
$y$を$x$の二次関数という。
図1に(1)式の二次関数を示す。(1)式で表される二次関数の形状を放物線という。

いま、(1)の二次関数が$x$軸と交わる点を$Q_1$,$Q_2$、$y$軸と交わる点を$R$、二次関数(放物線)の頂点を$P$とし、$P$点の$x$座標、$y$座標をそれぞれ$x_p$、$y_p$とするとき、(1)の二次関数の係数とどのような関係があるかを考える。
式(1)の右辺を変形して整理すれば
$y=a(x+\dfrac{b}{2a})^2-\dfrac{b^2-4ac}{4a}$ ・・・(2)
となる。
この式と、$a$、$b$、$c$が定数であることから、$a$が正の数ならば(2)式右辺の第一項は正の数またはゼロであるから
$x=-\dfrac{b}{2a}$ ・・・(3)
のとき$y$は最小値
$y=-\dfrac{b^2-4ac}{4a}$ ・・・(4)
を取ることがわかる。このときの$x$、$y$を$x_p$、$y_p$とすれば、
$x_p$は$P$点の$x$座標を、$y_p$は$P$点の$y$座標を表している。
ここで、図1から$x_p=-\dfrac{b}{2a}$は原点の左側にあり負値であることから、$b$は正の数であることがわかる。
二次関数の$y$軸・$x$軸との交点と係数の関係
次に、(1)式で$x=0$ とおけば、$y=c$ が得られる。これは(1)式で表される二次関数の$y$切片(R点)の$y$座標を表している。図1 からこの場合の$c$は負であることが分かる。
次に(1)式で$y=0$ とすると2次方程式
$ax^2+bx+c=0$ ・・・(5)
が得られる。式を変形してこれを解くと
$x=\dfrac{-b\pm\sqrt(b^2-4ac)}{2a}$ ・・・(6)
が解として得られる。この2つの解のうち小さい方
$x=\dfrac{-b-\sqrt(b^2-4ac)}{2a}$ ・・・(7)
が二次関数(1)が$x$軸と交わる点$Q_1$の$x$座標を表し、大きい方
$x=\dfrac{-b+\sqrt(b^2-4ac)}{2a}$ ・・・(8)
が二次関数(1)が$x$軸と交わる点$Q_2$点の$x$座標を表している。
以上から、(1)式で表される二次関数の頂点$P$、二次関数と$x$軸との交点$Q_1$、$Q_2$の座標および二次関数と$y$軸の交点$R$の座標を、二次関数の係数$a$、$b$、$c$を用いて表すことが出来ることがわかる。
図1の例から二次関数(1)の係数 $a$ が正のとき二次関数は頂点が下向きであることが分かる。
図2 には二次関数(1)の係数$a$ が負のときの二次関数を示した。この場合にも、放物線の頂点の座標は(3)、(4)式で表され、$x$軸との交点の座標は(7)、(8)式で表される。また、$y$軸との交点の座標も$c$で表される。$c$は図2から正の数であることが分かる。
図2 の二次関数においては、頂点が$y$軸より右側にあるから(3)式で表される頂点の$x$座標は正の数である。 $a$ が負であることから$b$が正の数であることが分かる。

二次関数と二次方程式の関係
二次方程式の根号内の符号が正のとき
上記の図1 、図2 のように、(1)式で表される二次関数$y$が$x$軸と2点で交わるとき、$y=0$ とおいた2次方程式は2つの実根(実数の解)を持つ。
これは図1 、図2 の何れの場合も、$a$および$c$の符号に着目すれば、図1では$a$が正、$c$が負であり、図2では$a$が負、$c$が正であるから、$-4ac$の符号は正であり、(5)式の根号内の符号が正でありことがわかる。
(5)式の根号内の符号が正のとき二次方程式が2つの実根(実数の解)を持つことは2次方程式で知られていることである。図3 (1)の二次関数がこの場合を示したものである。
二次方程式の根号内の値がゼロのとき
次に根号内の数値が0 の場合、すなわち。$b^2-4ac=0$ の場合、(5)式の2次方程式は重根
$x=-\dfrac{b}{2a}$
を解に持つ。これは二次関数が頂点で$x$軸と接する場合であり、図3(2)の図がその場合を示している。

二次方程式の根号内の符号が負のとき
最後に、根号内が負値となるとき、すなわち$b^2-4ac<0$ のとき、二次方程式は実根(実数の解)を持たない。この場合は二次関数が$x$軸と交わらず、かつ接することもない場合であり、図3(3)の図がその場合に対応する。
図3では $a$ が正(放物線の頂点が下向き)の場合を示したが、放物線と$x$軸の位置関係と2次方程式の根の種類(異なる実根、重根、虚根)の関係は $a$ が 負の場合でも同じである。
放物線とは放体が描く軌跡
物体を空中に投げたとき物体の描く軌跡が放物線である。実利面では、打球の軌跡や砲弾の射程距離を計算したりするのに必須なものであるが、ニュートンの運動方程式と微分・積分を合わせて学ぶ必要がある。
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