首題の問いかけは、言葉を変えて言えば、「どんなツマミがウイスキーの味と香りを邪魔しないか?」ということである。
Contents
お酒とツマミ
ウイスキーも酒の種類の一つであり、酒にはツマミが付き物である。酒のツマミと言うと、ビールに合うソーセージや餃子等、日本酒に合う刺し身やおでん、ワインを飲みながら食べるフランス料理やイタリア料理など、およそ料理の中で酒のツマミにならないものは無いといっていいくらいツマミの種類は多い。
しかし、酒の種類によって、どんな物がつまみとして合うかは異なってくる。
ビールは庶民の飲み物?
何十年も前のこと、知人夫婦が初めて海外にでかけた時、添乗員の女性からコース料理のときに「ビールは庶民の飲み物だから頼まないように」と言われたようである。

当時は、ワインの赤は肉料理、白は魚料理と決まっていた時代であり、一流ホテルのロビーにはネクタイをしないと入れない(ジーンズなどは論外)という格付けの色濃く残った時代であった。それ故、ツマミにソーセージが合うビールは格の低い庶民の飲み物で、コース料理ならワインを飲みながら食べるのが正統派といった時代であった。
世の中の変化
それから何十年かが経過する中で、 ワインの赤は肉料理、白は魚料理 などということは言われなくなり、一流ホテルのロビーはノータイでジーンズ姿の人が闊歩するまで世の中が変化した。コース料理を食べながらビールを飲んでいる姿もよく見かけるようになったし、日本酒が世界的に認められるように変わってきている。尤もこれは日本酒の品質が向上したためであるが・・・
格付け社会から解き放たれた自由な時代にあって、ウイスキーにはどのようなツマミが合うかを自由気ままに考えてみたい。
ウイスキーに合うツマミ
ウイスキーと言っても、ウイスキーにはいろいろな飲み方があり、一律にどのようなツマミがウイスキーに合うと言うことは難しい。
そこでストレート、オンザロック、水割り、ハイボールなどの様々な飲み方がどのような場合にされるかということと合わせて考えてみることとする。
ストレート・オンザロック
ストレートやオンザロックは、コース料理などを食べた後(食後)の飲み方である。これは胃に食物が入っていないとストレートのウイスキーで胃をやられるからであり理にかなった飲み方である。 ウイスキー自体の味や香りを楽しむ飲み方であり、高級ウイスキーにお薦めの飲み方である。ツマミとしてはウイスキーの味や香りを邪魔しない淡白で香りのない物が合う。具体的には、ナッツ・チーズの盛り合わせ・チョコレートなどがよく合う。 これらのツマミはブランデーのストレートにも合う。

高級なかまぼこを使用した板わさ・そば味噌などは日本酒の大吟醸によく合うツマミであるがウイスキーにもお薦めできる。
水割り・お湯割り
水割りやお湯割りで飲む場合に特に制限はないが、食事を食べながら飲むことが多い。それだけに、いろいろなものがツマミとして登場する。何万もするような高級ウイスキーを水割りで飲むことはあまりしないが、そうであるときは、ウイスキーの味わいを台無しにするような味が濃い物や脂っこい物をツマミとするのは避けた方がよい。
ハイボール(炭酸割り)
ハイボールの場合は炭酸の爽やかさを楽しむ飲み方であって、ウイスキー自体の味や香りを楽しむ飲み方ではない。従って、高級ウイスキーには適さない飲み方である。この飲み方はウイスキーそのものの味や香りを楽しむわけではないので、ツマミが受ける制約もほとんどない。

例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子は塩味がウイスキーの味の邪魔をするがハイボールではさほど問題とならないし、味の濃い料理や脂っぽい料理も口の中っがさっぱりするハイボールでは問題とならない。
蛇足ではあるが、サントリーの角クラス以下のブレンデイッド・ウイスキーや知多などのグレイン・ウイスキーはハイボールで飲むほうが美味しく感じられる。
備考
チーズの盛り合わせ
ストレート・オンザロックに合うチーズの盛り合わせとは、カマンベール、ブリー、ゴルゴンゾーラ、エメンタールなど数種類のチーズの盛り合わせのことをいう。
ブランデーの水割り
ウイスキーと度数が近く、同じ蒸留酒であるブランデーは元来ブランデーグラスに注いで香りを楽しみながらストレートで飲むお酒であり、高級ブランデーを水割りで飲んで美味しく感じたことは殆どなかった。しかし、マーテルVSOPの水割りは美味しく感じた記憶がある。マーテルはボルドリ産のブドウを使ってブランデーを作っているので、ボルドリ産のブランデーが水割りが合うのであろうか?この点は他のボルドリ産のブランデーを飲んでいないため未だ確認できていない。
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