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受動喫煙防止が義務化
健康増進法の改正に伴い、2020年4月から受動喫煙防止が義務化される。
対象施設は事務所、工場、ホテル・旅館、飲食店、旅客運送事業船舶、鉄道など。多くの人が使う施設で喫煙を規制する改正健康増進法が2018年7月18日に、参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。
すべての人に罰則付きで禁煙場所での喫煙を禁じ、これまで努力義務だった同法の受動喫煙防止を義務化し、東京五輪・パラリンピック前の2020年4月に全面施行されることとなった。
ただし、例外として
・資本金5000万円以下で客席100平方メートル以下の店舗は喫煙可
・今後開店する新店、大手チェーン店舗は分煙設備を設けることで可
・バーやスナックは喫煙可
とされている。
禁煙後進国日本の禁煙への取組み
先進国(中国は除く)の間では禁煙後進国と揶揄されてきた日本であるが、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック開催が契機となり、健康増進法の改正となったようである。
昭和50年頃は、多くの企業の職場において、机の上に灰皿があり、就業時間中平然とタバコが吸われていた。
同じ頃、新幹線では15号車と16号車が禁煙車両に設定されたが、その後それが1号車と2号車に変わり、次に5号車までと、次第に禁煙車両が増えていった。
昭和50年代後半になると、大企業においても保険衛生面から喫煙の害が考慮されるようになり、喫煙場所が定められるようになり分煙化が進んでいった。
日本社会で禁煙化が遅れた理由の一つに、国(専売公社)がタバコの製造・販売を独占していたことがある。
当時は御用学者もいて、九州のある病院の医師などは、タバコは健康に良いという本を出していた。
アメリカではすでに大統領の指示で調査機関がタバコやアスベストの害などを公表していた頃である。また、当時すでに海外のタバコには喫煙の害がはっきりと記載されていた。

それだけ日本は禁煙(煙草の害の周知)への取り組みが遅れていたわけである。
日本社会における禁煙推進の原動力
日本社会における禁煙推進の原動力の一つとなったのが、大企業が健保組合の収支を改善するため、組合員(社員)の健康管理に力を入れ始めたことが挙げられる。
社内の分煙化に始まり、社員への飲酒・喫煙に関するアンケート実施や生活習慣の改善指導などが行われるようになったことは、多くの人に喫煙の害を知らしめることとなった。
喫煙の害とはどのようなものか?
さて、喫煙の害であるが
長期にわたって喫煙をしていると、各種臓器、組織に障害を起こし、いろいろな疾患を生じやすくなる。特にがん、脳卒中、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)の発症リスクは喫煙により高くなることが明らかになっている。また、歯周病にも罹りやすくなると言われている。
また、タバコの煙は、喫煙者が吸う主流煙と、タバコの先の火がついているところから出ている副流煙の2種類から成り立っているが、この副流煙には、主流煙に比べ、約2〜3倍の有害物質を含んでおり、喫煙者の周囲にいる者までがタバコの害を受けるところに問題がある。
お酒は虎になって暴れたりしなければ周囲に迷惑をかけないが、タバコは静かに吸っていても周囲に有害物質を撒き散らしているわけである。
近所の喫茶店でも店内全て禁煙に
先日、家の近くの喫茶店へ行った。きちんと分煙がされているお店でよく行くお店である。紅茶を飲み終え、レジでお金を払っていたらマスターが近づいてきて、4月から全店禁煙にすることを話してくれた。
客が減ることを気にしているようであったので、「タバコは周囲に発がん物質を撒き散らす物であるので、禁煙にされることは素晴らしいことだと思います。是非なさって下さい」と言って店を出た。
国民保険上喜ばしい 飲食店の禁煙
飲食店が禁煙になれば、旅先で初めて入るお店でも、分煙されていることを確かめずに安心して飛び込むことが出来る。また、子供連れの場合でも安心して入店出来るお店が多くなる。
新型コロナウイルス発症者が日本国内でも増えつつある今、呼吸機能を高く維持し、ウイルス耐性を高く保つ点からタバコ好きな人も禁煙に取り組む良い機会であり、禁煙場所が増えることは望ましいことと思われる。
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