(ツェルマットからのマッターホルン)
21世紀の現在は情報過多時代。どこへ行ってもスマホ片手に歩いている人を多く見かけます。中には片手でスマホを操作しながら自転車に乗っていたりする若者や、車を運転しているドライバーもいて、それが原因の事故も多発しています。更に「ポケモンゴー」などのゲームまで登場し、運転しながらのゲームが原因で死亡事故を起こした裁判が最近行われたばかりで、深刻な問題を社会に投げかけています。
教育が普及し、高学歴者が多くなったものの、自転車や車を運転しながらスマホをするのは明らかに、ゲームやスマホへの依存症であり、一昔前の競輪・競馬やパチンコ依存と心理的には似たものがあると言えるのではないでしょうか。
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便利である反面、正しい情報を得て正しく判断するのは困難な時代
今やほとんどの人がパソコンやスマホを持っており、分からないことはすぐに調べることができる。このこと自体は大きな利点であ,技術革新の恩恵を享受できる時代に生きていることは間違いありません。
一昔前であれば、分からないことは親に聞いたり家にある辞書で調べ、それで分からないことは図書館に行ったりして調べるのが普通であり、疑問に対する答えを出すまでに時間と努力を要するのが当たり前でした。
しかし今や、分からないことがあればヤフーやグーグル検索を用い、場所を移動することなくその場でほとんど答えを知ることができるようになりました。
また、以前からあるTVや新聞・雑誌等でもニュースのみでなく、衣食住の生活に関わることから健康に係わる様々の情報があふれ、多くの情報を容易に得ることができるようになりました。
このように多くの情報が社会に溢れ、情報入手という面では便利になった反面、いい加減な情報も多く、正しい情報を見分けたり正しく判断して行くには困難な時代になりました。
スマホやパソコンで検索した情報を鵜呑みにすることは危険
一昔前、情報を得るためには、図書館などへと移動し、手で辞書を繰って調べるという努力が必要でしたが、情報が氾濫する今の時代にあっては、氾濫する情報から正しい情報を見極めるだけの力をつけることが必要不可欠です。
スマホやパソコンの検索で調べたことを鵜呑みにするだけでは、間違った情報も多く、判断を誤りかねません。分かり易い例では、健康食品やサプリメントなどに関するものがありますが、これらに関しては、医師やその道の専門家のコメントなどがある場合が多く、見た人が容易に信じてしまう危険性があります。
スマホやパソコンの無かった昭和50年代においても、その頃すでに健康に害があることが分っていた喫煙について、「喫煙は健康に良い」という書物を著した医師がいましたし、福島の原発事故が起こってからっでさえ、「原発は安全」と主張する学者先生方もいるわけです。
このように、出版物においてさえ御用学者等が間違ったことを平気で主張しているという事実があることを考えれば、スマホやパソコンで検索して容易に得られる情報を鵜呑みにすることは極めて危険であり、一人一人が正誤の判断を下せるだけの力を持たなければならないのが今の時代であるわけです。
現代社会の問題
ところが、子供のころからスマホやパソコンを持ち、すぐに調べられる環境に置かれているため、
①それ程努力することなく、手指の運動だけで答えを得ることができるのが当たり前との意識になってしまっており、待つこと、我慢したり努力することが出来ない性格になり易くしている
②答えがすぐに得られるため、深く考える習慣が身につきにくく、思考力が育ちにくい
という問題があります。
正しいかどうかを考える習慣を
そのような時代にあることを認識し、自己判断する能力のある人は、自ら考える力をつける努力をすることが必要ですし、幼少期の子供を持つ親は、子がスマホやパソコン依存にならず思考力を高めていけるよう、手をかけ心をかけ育てて行くことが大切であると思われます。
スマホやパソコン等で得た情報に関しては、自らの経験を活かし様々な面から分析や検討をするとともに、信頼できる知人などからの意見も参考にし、正しいかどうかを考える習慣を持つようにすることが大切です。
静かに考えること、感性を磨くこと
また多くの人は、身近な人の言うことより出版物に印刷された記事や肩書ある人の記事や説を信ずる傾向がありますが、出版物の記事にもいい加減なものがありますし、肩書のある人でも前述のように立場で意見が変わる御用学者のような人もいますので、自分自身が正しく判断出来るようになることが必要です。
例えば、自らの健康や食事などに関しては、自分の体調や身体の変化を注意深く観察することにより、比較的容易に正しい判断が出来ますが、あらゆる場合に正しく判断できるようになるためには、日頃から正しい情報源を持つ(信頼できる人間関係を作る)よう務めること、静かに考える時間を持つこと、感性を磨く努力をすることなどが求められます。
自己優先でなく、相手の立場に立てる冷静さを持っていれば、正しく公平に判断することが出来ますし、感性が磨かれれば不純なものを見分けることが容易になります。
感性を磨くには、若いうちから出来るだけ一流のものに接するようにすることです。公平な心を持って物事に臨むよう、そして感性を磨くよう努力を続ける過程で、信頼できる人間関係も周囲に出来あがり、正しい判断をするネットワークも生まれて来るものと考えます。
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