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世界で最も売れているシングルモルト・ウイスキー
スコッチウィスキーの有名なブランドの一つに「ザ・グレンリベット」がある。
ザ・グレンリベットはグレンフィディックとともに世界で最も売れているシングルモルト・ウィスキーであり、飲みやすく風味のバランスが良いことからスコッチ・ウィスキーの初心者にお薦めのシングルモルト・ウィスキーである。
工場はスコットランドのマレーにあり、スペイサイドの蒸溜所に分類される。「グレンリベット」とはゲール語で「静かな谷」という意味の言葉である。
同じスペイサイド地方のダフタウンにある蒸溜所で作られているシングルモルト・ウイスキーに「グレンフィディック」があるが、この「グレンフィディック」はゲール語で「鹿ノ谷」を意味している。
ゲール語(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より転記)
ゲール語(ゲール語、英:Gaelic)は、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派に属する言語である。 古くはゴイデル語(Goidelic) ともいった。古アイルランド語でゲール語の話者(ゲール族、ゴイデル人)を指す Goidel に由来する。
アイルランド語ではGaeilge、スコットランド・ゲール語ではGàidhlig、マン島語ではGaelgという。
本来はアイルランドで話されているアイルランド語を指していたが、後に移民のいたスコットランドのゲール語(スコットランド・ゲール語)やマン島のゲール語(マン島語)も含まれるようになった。英語のGaelicはとくにスコットランド・ゲール語を指す。日本で「ゲール語」として紹介されているものは、ほとんどがアイルランドのゲール語である。
今日では、上記の3地域で話されているゲール語が残っているが、いずれも英語に取って代わられつつある。 ゲール語話者は年々減少しており、スコットランド・ゲール語話者は現在約6万人足らずである。 またその分布はスコットランド北西部の高地地方や島嶼部に主に限られている。
英国政府公認第一号の蒸留所として認められたグレンリベット
1824年に英国政府公認第一号のウイスキー蒸留所として認められたのが、ジョージ・スミスの蒸溜所である。これがスコッチ・ウィスキー「グレンリベット」の始まりであり、スコッチウイスキーの歴史の始まりでもある。
グレンリベットは、その品質の高さから世界的に知られるようになり、「~グレンリベット」を名乗る蒸留業者が続出した。創業者のジョージ・スミスは自社のウィスキーを守るため裁判に訴え、長い年月を要した裁判の結果、1884年、ジョージ・スミスのウィスキーだけが本物の証拠である定冠詞の「THE」をつけることが認められた。その後、同社のウィスキーのみは定冠詞の「THE」を頭に付け、「THE GLENLIVET(ザ・グレンリベット)」と呼称されるようになったわけである。
ザ・グレンリベットウイスキーの特徴
ウィスキーの風味をエレガントにするため、ザ・グレンリベットで使用するモルト(大麦麦芽)にはピート香が付けられていない。 また、製造も蒸留所の伝統的な方法で行われている。
発酵槽にはオレゴン産の松の木で作られたものを現在も使用し、ポット・スチルの大きさと形は150年以上前から変わっておらず、伝統を大切に守りながらその高い品質を守り続けている。
同社は種々の熟成年数の製品を販売しているが、初心者には廉価で購入しやすいザ・グレンリベット12年が手頃であると思われる。廉価ではあるが風味のバランスの良い飲みやすいウィスキーである。

使用される水や麦
ザ・グレンリベットが仕込み水に使用しているのは、蒸留所近辺に点在する泉を水源とする水であり、大麦はマレーのポートゴードン村にあるクリスプ・モルトハウスのものが使用されている。蒸留には長く細い首を持つポット・スチル(単式蒸留器)が使用されており、この形状がザ・グレンリベットのすっきりとした味わを醸し出している。
蒸留された原酒はオーク樽に詰められて熟成される。使用されるオーク樽の多くは、バーボン・ウィスキーの熟成に使用された古樽だが、一部の製品ではシェリー酒やポルト酒の古樽が使用されている。
主力製品として販売されているシングルモルト・ウィスキーは熟成年数により、上記した12年物の他、15年、16年、18年、21年、25年物がある。
ザ・グレンリベット25年
「ザ・グレンリベット」ブランドのシングルモルト・ウィスキーの中で最も樽熟成年数の多い製品が「ザ・グレンリベット25年」である。

25年以上樽で熟成された希少なウィスキーのみをブレンドした後、シェリーの空き樽で2年間さらなるバッチ仕上をされて製品化される。
バッチ仕上げの2年間、熟練者たちが個別に一つ一つの樽の仕上げ工程を監視し、オルロソ(シェリー酒)に浸した木樽が繊細なシェリーの風味を、強度の高いシルキーでエレガントなウィスキーに加えることによって製品が完成される。
このようなきめ細かな品質管理のもとバッチ製造されるザ・グレンリベット25年は、格調高いオーク製のケースに収められており、そのケースの内側にはDistillery(蒸留酒製造工場)、Warehouse(貯蔵樽倉庫)、Quality control(品質管理)部門それぞれの責任者のサインがされ、Batch No(バッチナンバー)が記されている。

ザ・グレンリベット25年は、バランタイン30年よりも高価なウイスキーではあるが、ジャパニーズ・シングルモルトウィスキーの長期熟成物の品切れや価格高騰が続く今、ジャパニーズ・シングルモルト・ウイスキーよりもコストパーフォーマンスの高い、豊かで深みのある風味と香りを持つ秀逸なウィスキーである。
ウイスキーを飲みはじめて50年近くなるが、このウイスキーよりも美味しいと感じたウイスキーは、にっぽん丸のバーで飲んだ余市シングルカスク20年くらいであろうか(余市シングルモルト20年ではない)。
ザ・グレンリベット25年の一般的酒評
琥珀色に輝く豊かな色合い。シェリー樽熟成による、熟したフルーツやスパイス香にウッディな香りが調和。スパイシーな中に、ダークチョコレートやオレンジ・ピールの風味を伴った深い味わい。ドライでスパイシーな風味が長く続き、最後にフルーティーな甘さが余韻となって残る。
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