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戦後間もない日本の道路事情
戦後間もない昭和20年代、道路を走っている車は少なく、道路も子どもたちの遊び場の一つであった。名古屋市内を走る国道1号線と名港線(名古屋駅と名古屋港を結ぶ道路)との交差点(六番町の交差点)ですら信号機が設置されたのが今から60年ほど前のことである。当時は車を持っていない家がほとんどであった。
車の普及と交通事故の多発
その後の経済発展の中で、車の普及はめざましく、20世紀末頃には一家で何台も所有するのが普通にまでなった。車の普及に伴い道路は整備されたものの、道路は車で溢れ交通事故が多発するようになって行った。下図は昭和20年代から平成30年までの日本の自動車台数の推移を示したものである。

高齢化・多様化社会が交通事故に及ぼす影響
交通事情の変化はその後更に悪化する。ながらスマホの自転車や歩行者が街に溢れ、宅配自転車など交通ルールを無視した自転車が大都市を中心に出現し、あおり運転をする車が頻繁にニュースで取り上げられるのに加え、高齢ドライバーによる事故も頻繁に放送されるようになって来た。下図は警視庁が纏めた年齢別免許人口10万人あたりの死亡事故数を示した図である。

最近高齢ドライバーの事故が新聞やTVのニュースで取り上げられることが多いことから、事故原因の類別に拘らず高齢ドライバーの事故が多いように思われるかもしれないが、事故原因を類別してみると、事故原因によっては高齢ドライバーの方が少ない場合もある。経産省が作成した、75歳以上と75歳以下のドライバーに関して、事故全体における事故原因ごとの比率を示した資料によれば、
75歳以上のドライバー
操作ミス:30%
前方不注意:29%
安全不確認:19%
判断ミス:7%
75歳以下のドライバー
操作ミス:12%
前方不注意:49%
安全不確認:26%
判断ミス:9%
これらのデータから、ブレーキとアクセルを踏み間違えるなどの操作ミスに関しては、75歳以上のドライバーの方が多いものの、前方不注意による事故や、安全不確認による横断歩道の事故などは、75歳以下のドライバーの方が事故を起こしていることがわかる。
高齢者が気をつけること
以上から、高齢ドライバーが気をつけるべきこととしてブレーキとアクセルを踏み間違えるなどの操作ミスをしないようにすることがある。プロのドライビングスクールで緊急回避の実地講習を受けたとき、車の運転は座学などの頭で理解しただけでは役に立たず、実際に繰り返し練習することが必要であることを痛感した。
高齢ドライバーは、毎回エンジンをかけて走り出す前に、ブレーキとアクセルを踏み変える練習をして走り出すことは、事故を回避する上で少なからず役立つものと思われる。
歩行者が気をつけること
歩行者の周囲には、ながらスマホの歩行者や自転車がおり、車道に突っ込んでくる車も皆無でないことから、歩行者はいざ事が起こったときに緊急避難する場所を見つけながら歩行することが望ましい。いつも通る道ならば、経路中にいくつか主だった避難場所を想定しておくべきである。例えば、電柱の影、コンビニや他家の駐車場、空き地などである。小学生や幼児の集団登下校では、付添の大人が事前に確認し、子どもたちに説明しておくと、緊急時に速やかな対応が可能となる。
歩行者自らが歩きスマホをしないことは当然のことである。
筆者の運転歴
筆者は、軽自動車の運転にはじまり、国産車、ドイツ車と様々な車を運転してきた一介の車好きである。若い頃は何度か名古屋―東京間を一人で日帰り運転したことがあり、冬季には奥志賀などのスキー場まで毎年車で出かけたりしていた。また、プロドライバーのドライビングスクールを受講したりし、高速運転、ウエット路面での急停止と危険回避動作などの操作などを学んだりもした。通常の自動車学校では教えて貰えない運転技術を学んだこともあって、運転するのが楽しく、長距離運転しても疲れを感じることはあまりなかった。
しかし、昨今では上記のように事故増加の要因が増えていること、自らも高齢者になったこともあり、今までにも増して、車の周囲の状況に目配り・心配りをして運転するようにしている。
以下は、現在筆者が車を運転するときに注意している事柄を整理したものである。記載内容は当たり前の事柄ばかりであるが、事故の減少や車を運転する方のお役に立つことがあれば何よりと思う次第である。
事故回避の心配り
前提
交通ルール無視の高齢ドライバーの車(前方から逆走してくる車や信号無視の車など)、ながらスマホの歩行者や自転車、交通ルール無視の宅配自転車、あおり運転をする車が周囲にいる可能性があることを、常に頭に入れておくこと。
あおり運転
あおり運転に対しては、車の前後の状況を記録できるドライブレコーダーを搭載することである。あおり運転や事故発生時の証拠になるため、車に搭載すべき装置である。あおり運転をされたとき、同乗者がいる場合は、同乗者が警察に電話し、走行している場所、あおり運転する車の車種や色、ナンバーなどを伝えることである。
直進走行時
高速道路
・スピードを控えめにし、車間を取ること。高速では追い越し車線よりも走行車線の方が車間は広いことが多い。
・インターチェンジの合流地点で合流してくる車に注意すること。
一般道路(直進)
・後続車の運転に注意する。後続車が携帯電話や脇見運転、居眠りなどをしているようなときには、路肩やコンビニの駐車場に停止し、危険な後続車を先に行かせる。
・路線を選ぶ。目的地に行くのに片側1車線の道路と、片側2車線以上の道路がある場合、片側1車線の道路で行くほうが、事故の発生が少なく、発生した場合も事故が軽微で住むことが多い。片側複数車線の場合は、無理な車線変更をして前に出ようとする車が多いからである。

・自転車に注意する。信号無視の自転車の飛び出し、夜間の無灯火の自転車の存在を意識して運転する。
・歩行者に注意する。明け方、夕刻、夜間の 暗い色の服を着た歩行者 に注意する。
交差点

交差点右折時
・横断歩道前で減速し、右後方から横断歩道に突っ込んでくる自転車や駆け込んでくる歩行者がいないことを確認する。
交差点左折時
・横断歩道前で軽くブレーキを踏み、左後方から自転車や歩行者が横断歩道に入って来ないことを確認する。
冬季
積雪時に備え、冬用タイヤに交換するのが好ましいが、そうでない場合、タイヤチェーンを常備し、積雪時にはタイヤチェーンを取り付ける。
タイヤ交換、チェーン取り付けが必要なホイール
4輪駆動車、後輪駆動車-4輪全てに装着が必要
前輪駆動車-前輪のみの装着で可
ウエットな路面とBMWドライビングスクール
降雨時の濡れた路面で安全走行を確保するには時速70km以下が良い。これはBMWが開催するドライビングスクールで教わったことである。このスクールではプロドライバーが講師となり、半日の座学の後フルコースのディナーを食べ、翌日実地訓練をするものであった。使用した車はBMW320、Z3であった.

ウエット走行の実地講習では、路面にたっぷりの水を撒き、車の前方50mほどのところに障害物をおいた状態で行うものであった。
・ABS装置を効かないように設定し、車を障害物に向かって走らせ、障害物の手前で思いっきりブレーキを踏み込み、次の瞬間、障害物回避のためハンドルを切る。
・ABS装置が効かない状態にあるので、フルブレーキングの後ハンドルを切っても、車の進行方向は変わらず路面上を障害物に向かって滑り始める。
・車が路面を滑り始めた瞬間、ブレーキを少し緩める。この操作により、車はハンドルを切った方向に向きを変え始める。
以上の実地講習を受けて、ABSの効果、ウエット路面でハンドル操作を確実にするには、時速70km以下が良いということを肌で知ることが出来た。
BMWのドライビングスクールでは、ウエット路面だけでなく、急に飛び出してきた障害物を回避するなど、日常の運転で役立つ技術を色々と学ぶことが出来た。現在では色々なコースがあり、好みに合わせて選択できるようになっている。興味ある人は以下のURLをご覧になることをお薦めします。
https://www.bmw.co.jp/ja/topics/brand-and-technology/experience/drivng_experience/index.html
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