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南岸低気圧と太平洋側の大雪

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南岸低気圧と太平洋側の大雪

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南岸低気圧とは

 冬期から春先にかけて日本の南海上を日本列島に沿って発達しながら北東進する低気圧のことである。日本列島の南岸にそって進むので南岸低気圧と呼ばれる。南岸低気圧は台風並みに急速に発達することも多く、海上は大しけ、陸上でも台風並みの風が吹くことが多い。

南岸低気圧の天気図

 南岸低気圧が日本列島に大きな影響を及ぼすか否かは、南岸低気圧の進路が日本列島の南岸からどれくらいの距離のところを進むかによる。日本の南岸近くを通過した場合、日本列島に大雨や大雪をもたらすことが多い。その場合、南岸低気圧が北側の寒気を地上付近に引き込むと、太平洋側で大雪となる。
 降水が雪になる目安は、地表面温度が3℃以下のときである。

日本海側の雪と太平洋側の雪の違い

日本海側の雪

 冬期、日本列島の日本海側で降る雪は、大陸から吹き出す冷たく乾燥した空気が日本海上を通過するとき、温かい海から大量の水を供給され、日本海上で筋状の雪雲を作る。この雪雲は日本海上を通過するまで発達し、雲頂高度3000mくらいに達する。この雲が日本列島を横断するとき、3000m級の山が連なる脊梁山脈に阻まれ上昇しながら更に雪雲を発達させ、列島の日本海側で大量の雪を降らせる。

日本海側で雪を降らせる筋状の雲

 脊梁山脈を越えた寒気は乾燥し、太平洋側に好天をもたらす。脊梁山脈の途切れた琵琶湖周辺では雪雲が太平洋側まで流れ込むため、関が原や彦根あたりでは大雪が降る。https://marisuke.com/archives/2171
 このように冬期列島の日本海側で降る雪は、日本海の水である。

太平洋側の雪 

 上で説明したように、冬期に日本海側で発達する雪雲は、脊梁山脈で阻まれ太平洋側に雪をもたらすことは少ない。太平洋側に降る大雪は、冬期から春先にかけて日本の南海上を発達しながら北東進する南岸低気圧(低気圧の雲は太平洋の水)が、南岸近くを通り、下層に北側の寒気を引き込むことによって引き起こされる。地上で雪になるのは、上記したように、地表面温度が3℃以下のときである。
 冬期に太平洋側で降る雪は、太平洋の水である。

南岸低気圧の具体例

1988年3月23日の南岸低気圧

南岸低気圧(1986年3月23日)

 近畿から東北にかけて各地で強い降雨。関東甲信地方でも大雨の予報をしていたが、内陸部からの冷たい北東気流の流入により下層の気温が下がり、雨が雪に変わった。最大積雪は八王子22cm、横浜10cm、東京9cmと大雪となった。
 低気圧の中心は熊野灘にあり、ここから日本の南海上に前線に対応する雲の帯が続いている。

南岸低気圧急発達の事例

1988年1月21日の南岸低気圧

南岸低気圧赤外画像(1988年1月21日午前9時)
南岸低気圧天気図(1988年1月21日9時)

 九州の南海上から関東まで広がる白い雲は、天気図の奄美の東にある低気圧に伴う雲である。前日午後3時からの雲の発達経過を以下の図で示す。

1988年1月20日午後3時

 この時点では天気図に低気圧が載っていない。

1988年1月20日午後9時

 この頃から天気図に低気圧が解析され始める。

1988年1月21日午前3時

 わずか6時間で低気圧の雲が急拡大しているのがわかる。このあと午前9時には更に発達していることがわかる。

参考文献

気象衛星センター監修 「ひまわりで見る」四季の気象  大蔵省印刷局

(補足)本記事に記載の図は、上記参考文献より引用しております。

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