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熱力学第一法則と乾燥断熱減率、乾燥静的エネルギーと温位

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 気体を扱う場合の最も規範的な法則として熱力学第一法則がある。気象学でよく用いられる乾燥断熱減率、乾燥静的エネルギー、温位などもこの基本法則から導かれる。

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熱力学第一法則と乾燥断熱減率

 気体の力学において最も基本的な法則として熱力学の第一法則がある。式で表せば、

    dQ=dW+du   ・・・・・(1)

ここでdQは単位容積あたりの気体に外部から加わる熱を、Wは 単位容積あたりの気体が外部に対してした仕事量を、uは単位容積あたりの気体の内部エネルギーの増加量である。気体の定圧比熱をCp,温度変化量をdT、重力加速度をg、高度の変化量をdzとして(1)式を書き直すと熱力学第一法則は、

    dQ=Cp・dT+g・dz  ・・・・(2)

で表される。いま空気塊に熱の出入りがない(断熱変化の)とき上式(2)でdQ=0とすれば、

    -dT/dz=g/Cp=Γd  ・・・・(3)

となる。(3)式で重力加速度gおよび気体の定圧比熱Cpが一定値であることに注目すれば、断熱変化では高度上昇に伴う温度変化(-dT/dz )は一定値Γdであることがわかる。この Γd を乾燥断熱減率という。

乾燥静的エネルギー

(2)式で定圧比熱Cpと重力加速度gが一定値であることに注目して(2)式を書き換えれば、(2)式は

    dQ=d(Cp・T+g・z)   ・・・(4)

と書くこともできる。断熱変化では気体に熱の出入りはなくdQ=0であるから、
d(Cp・T+g・z)=0 である。したがって(5)式で定義される乾燥静的エネルギーhdも一定値を取ること、すなわち保存されることがわかる。

    hd(乾燥静的エネルギー)= Cp・T+g・z    ・・・(5)

温位

 乾燥断熱変化においては、乾燥静的エネルギーだけでなく次の式で定義される温位(potential temperature)θも保存される。

    θ・p(R/Cp)=T・p0( R/Cp )      ・・・・(6)

ここでθは温位、pは気体の圧力、Tは気体の温度(K)、Rは気体定数、Cpは気体の定圧比熱、p0は高度0における気体の圧力で1000mbを取る。また( R/Cp )は全体で指数を表す。式の定義から明らかなように、ある高度で温度Tの空気塊があった場合、その空気塊を断熱状態で降下させていき、高度0( 圧力1000mb )に達したときの空気塊の温度が温位である。

 2つの空気塊の温度を比較するとき、それぞれの高度が違えば単純に比較することはできない。同じ高度まで持ってきて比較してはじめてどちらが温度が高いかを比較することが出来るわけである。このようなことから異なる空気塊でどちらが温かいかあるいは冷たいかを考えるときには、それぞれの空気塊の温位を比較するわけである。

参考文献

森康夫著   「熱力学概論」       養賢堂

小倉義光著  「一般気象学」       東京大学出版会

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